コインランドリー
コインランドリーを見かけると甘酸っぱい気分になる。
19歳で初めて上京した頃に通っていたボロッボロのコインランドリー。
今もあるのだろうか。
俺にとってコインランドリーは希望の象徴だ。
洗剤と柔軟剤の匂いと乾燥機の温度が混じってできあがる独特の空気。
あの空気を吸うとあの頃を思い出す。
その気になれば何にでもなれると信じる事ができた19歳の頃。
今でも道すがらコインランドリーがあると立ち止まってしまう。
カネは無さそうだけど、だけど心に自由と希望をもった奴らが乾燥機に服をぶっこんでいる。
つい俺も中に入る。
あれから20年近くが経った。うまくいっている事もあるけれど、あきらめた事はその3倍かな。
けれどコインランドリーが、19歳の俺が、俺に語りかけてくる。
「命さえあれば、夢なんてまたいくらでもつくれるぜ」 と。
コインランドリーの空気をまた目一杯吸い込んでから外に出る。
「バカヤロウ。 まだ始まっちゃいねえよ。」 キッズリターンを真似してつぶやいてみる。
心にThe Clashの“Death or Grory”が流れている。
今日もがんばろう。
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