サラリーマン

クールなサラリーマンてどんなだろう。仕事でハードな思いをしている。だからハードな酒を飲まずにいられない。タバコも吸わずにはいられない。妻子持ち。だが女好きは当然。夕方には朝に剃ったヒゲが生え、スーツもよたり、シャツもよたり、ネクタイもよた…

コーラ

ジョニーが生還した。 丸3日間飲まず食わずで漂流したが命からがら何とか生還をしたのだ。 . 誰かが水を持ってくる。 「すぐに水を飲まないと!!」 ジョニーはそれを手で払いのけた。 「コ、、、コ、、」 「はい?」 「・・・コーラ、だ。コーラをくれ」 他…

夜の雨

雨が好きな人ってめったにいないだろう。 俺も雨は嫌いだ。昼間は仕事で外に出なきゃいけない。雨と夜の組み合わせは最悪だ。洗濯物も乾かない。でも1つだけ。雨の夜中に車に乗って街道をあてもなく走る事。これはとても楽しいぜ。雨の日は人通りも少なく静…

New York 1992

あの街はどこへ消えた。 1992年12月31日のニューヨーク。 家族で行った旅行。 初めてのニューヨーク。 鼻孔を突き刺すような冷気。 夜空を突き抜ける摩天楼。 鳴り響き続けるイエローキャブのクラクション。 ブロードウェイのネオン。 ああニューヨーク! 大…

コインランドリー

コインランドリーを見かけると甘酸っぱい気分になる。 19歳で初めて上京した頃に通っていたボロッボロのコインランドリー。 今もあるのだろうか。 俺にとってコインランドリーは希望の象徴だ。 洗剤と柔軟剤の匂いと乾燥機の温度が混じってできあがる独特の…

横浜黄金町の記憶

かつてこの街に売春宿が密集している路地があった。 . 俺は友人に連れられて、 初めてあの路地を歩いた時の事を今でも忘れられない。 幅はわずか3メートルにも満たないくらいだろうか。 路地の両側にスナック型の売春宿がびっしりと並び、ピンクとも紫ともつ…

ブコウスキーにはなれない

学生時代にチャールズブコウスキーに憧れていた。今は亡きアメリカの作家だ。 ワイルドだけど知的な風貌、ワイルドだけど繊細な描写。 世間に認められるまでは日雇い労働や郵便局での仕事で生活費を稼ぎながら小説や詩を書いていた。 小説の主人公の生き方、…

ニュー新橋ビル

これまでに新橋に行く事が殆ど無かった。 先日たまたま夜に行った。適当に食事をする為に駅前のニュー新橋ビルに入った。 おそらく東京都内で仕事している人ならなら誰もが知っている新橋のランドマーク的な 商業施設だ。入るのは初めてだった。 驚いた。 そ…

俺と酒とネオン街

金曜の夜。 同僚との飲み会がようやく終電前に解散となる。 ジョニーは帰りふりをしながら一人でひっそりとタクシーに乗る。 運転手に行先を告げる。「ネオン街まで」。 いつものジョニーの金曜だ。 ジョニーはタクシーの中で思いを巡らす。 ネオン街を知っ…